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高瀬の大ケヤキ -福島県会津若松市-

  NHK の大河ドラマに取り上げられると、その場所は一躍人気スポットになるらしい。新潟県魚沼市の雲洞庵(うんとうあん)もそうであるが、この大ケヤキが立つ小さな丘の西側にも新しく駐車場が造られ、今年のタイトル「天地人」の旗が風になびいていた。付言すれば、筆者らが訪れた日の翌日、9月13 日の「天地人」の最後で、神指城が紹介された。

 会津若松市の北西部、阿賀川(新潟県に入ると、阿賀野川となる)の右岸に、慶長年間(1596~1615)に上杉景勝が築城した神指(こうざし)城の土塁跡がある。周辺の水田よりも5~6 m 高く、南北方向にのびる小さな丘の北東隅に、このケヤキが立っている。樹髙22 m、幹周り 11.7 m、推定樹齢 500 年、国指定天然記念物、旧環境庁の調査によれば、ケヤキとしては日本で第6 位であり、樹齢から推定すると、上杉景勝が活躍する前から生育していたことになる。この丘から若松城(鶴ケ城)が望まれるので、大ケヤキは戊辰(ぼしん)戦争をどのように見ていたのであろうか。

ケヤキは成長が早く、枝張りは東西29 m、南北 33 m にもなっているが、南西側の枝の成長が激しいために、その重みで折れかかり、樹幹に大きなダメ-ジを与えている。それにもかかわらず、樹勢はなかなかである。

 会津若松市は福島県西部の会津地方の中心都市で、若松城の城下町として広く知られる。城は、背後の湯川と堀で守られ、当初7 層の天守をもつ壮大な名城であったという。市街地には現在でも城下の町割-広い地割の士族屋敷と短冊型の狭い間口の町場-がよく残され、鶴ケ城は1874 年に政府によって取り壊されたが、1965年に復元された。残された堀のスケ-ルから、当時の城の壮大さを偲ぶことができる。会津若松市は猪苗代湖や磐梯山に近く、市内には白虎隊で知られた飯盛山、会津武家屋敷、東山温泉などもあり、観光資源に恵まれている。
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新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫
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by meiboku | 2009-10-29 09:24 | 高瀬の大ケヤキ