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山高神代桜 -山梨県北杜市-

 山梨県北杜市は、県北部の明野村、須玉町、高根町、長坂町、大泉村、白州町、武川村が2004年11月に合併して成立、さらに2006年3月に小淵沢町と合併した。市の名称は、杜が山野に自生するバラ科の果樹「やまなし」と「森」を意味するので、「北杜」は山梨県北部に位置することに由来する。市域は、赤石山脈駒ヶ岳(2,966 m)の東麓の釜無川および支流沿いの地形と八ヶ岳火山の火山麓扇状地および岩屑なだれからなる地形に展開する。駒ヶ岳東麓には駒ヶ岳と鳳凰山の地蔵ヶ岳(2764 m)から流れ出す大武川が造りあげた河成段丘が数段見られ、それらは後期更新世(約12.5万年前~約1万年前)の気候変化(寒冷期)と関わって形成された段丘地形であることが分かっている。

 北杜市には数多くの名木が残されているが、今回は福島県滝桜、岐阜県淡墨桜とともに日本の三大桜と言われる山高神代桜を紹介したい。山高神代桜は旧武川村山高の段丘面、実相寺境内に位置し、樹種はエドヒガン、樹髙9 m、幹周り10.6 m 、国指定の天然記念物で、推定樹齢は日本の桜としては最古(?)の約2000年とされている。ところが、主幹の傷みがひどいので、1993~95年に地上から約3 m 付近で切断、治療が施され、その上に小さな屋根が造られた。現在、脇枝が元気な花を咲かせており、境内に植えられた多くの桜の開花時には人々の眼を楽しませてくれる。
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 北杜市は駒ヶ岳から流れ出す尾白川の渓谷、八ヶ岳南麓高原湧水群が日本名水百選に選ばれているように、数多くの湧水に恵まれた名水の里でもある。サントリ-の白州蒸溜所が、旧白州町に立地したのもうなずける。このほか、かつては清里高原が若者の人気スポットであったが、赤石山脈、八ヶ岳、秩父山地の登山基地として、JR日野春駅近くには国蝶オオムラサキの飼育で知られたオオムラサキセンタ-もある。県立フラワ-センタ-の位置する茅ケ岳西斜面の旧明野村は日照時間日本一と言われ、そこから駒ヶ岳の屹立する風景は息をのむほどの迫力がある。因みに、茅ケ岳は『日本百名山』の著者深田久彌が登山中に急逝した山で、その地に小さな記念碑、登山口には深田記念公園造られている。

 新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫
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by meiboku | 2009-04-20 14:51 | 山高神代桜