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建長寺のビャクシン -神奈川県鎌倉市-

 鎌倉は昔から人気があったが、近年、市内は年間を通して観光客に満ちあふれている。とくに、北鎌倉駅から円覚寺、明月院、建長寺、鶴岡八幡宮、若宮大路を経て鎌倉駅に達するコ-スは、老若男女に好んで歩かれている。

 建長寺は巨福山(こふくさん)建長興国禅寺といい、鎌倉五山第一位、臨済宗建長寺派の大本山である。建長5(253)年に、鎌倉幕府五代執権北条時頼(1227~63)が建立したわが国最初の禅寺である。建長寺の開山、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)は1246 年に来日し、九州、京都を経た後、時頼に請われて建長寺の創建に関わったとされる。したがって、創建当時の伽藍配置は、中国宋時代の禅宗寺院を模して、総門・三門・仏殿・法堂・方丈などの主要建造物がほぼ直線状に並び、左右に大禅堂・大食堂を有していた。その後、14、15世紀に数回の火災により、その多くが焼失、現在の建物は江戸時代に高名な沢庵和尚などの進言、徳川幕府の後援などによって再建・復興した。

 ところで、三門から仏殿に達する参拝道の両側、右側に 3 本、左側に4 本のビャクシンの古木が前栽として並んでいる。これらの木々は創建時に蘭渓道隆によってお手植えされたと伝えられ、幾度かの火災にもかかわらず生き抜いてきたと伝えられる。いずれの木々も奇っ怪な形態をしているが、とくに仏殿に近い左側の一本は迫力十分である。樹髙 13 m、幹周り 6.6 m、根元近くで数本に枝分かれして大枝を広げているようすは圧巻である。それぞれの幹には無数の裂け目が入り、病気となったので、近年処置したところ回復したとのこと、いずれにしても樹皮の荒々しさに年月の長さを感じる。なお、建長寺全域が国指定の名勝である。建長寺は人気スポットであるので、静かに観賞するのがむずかしいかもしれないが、ビャクシンは鎌倉一ノの古木とされているのでよくみて欲しい。

新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫
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by meiboku | 2012-06-22 14:21 | 建長寺のビャクシン