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開拓記念木 -北海道剣淵町-

 北海道は本州よりも緯度が高いので、温暖な地方とは異なる樹木が見られる。さらに、温暖な気候に比べると、北海道の樹木の種類は多くはなく、限定される傾向にあることは言うまでもない。北海道のほぼ中央に位置する上川支庁は、塩狩峠を境界として、南部の旭川盆地(石狩川流域)と北部の名寄盆地(天塩川流域)とに大きく分けられる。剣淵町は名寄盆地の最南端の和寒町と士別市との中間に位置する、北海道らしい整然とした町割りがされた土地が広がる町である。天塩川の上流に当たる剣淵川が東部を北流し、市街地は川の西側に展開している。剣淵町は人口3,691(2009.12.31)、剣淵駅から北西約500 mの四つ角近くの妙見寺の傍に、この開拓記念木は立っている。交差点とは言っても、人通りも少ないので、道路脇に駐車してゆっくり観察することができる。

 開拓記念木の愛称をもって親しまれている木の樹種は、ヤチダモ(モクセイ科トネリコ属)である。樹髙22 m 、幹周り4.3 m、推定樹齢640 年、町指定の天然記念物である。愛称の由来は、明治時代はじめに屯田兵が入植したとには、すでに巨木であったことから集合の目印として盛んに利用され、この木の下で隊長の訓辞を受けることが多かったからだと伝えられる。ヤチダモは北海道に自生しているが、成長が遅いので、このような大木は珍しいとされる。この木は「北海道の名木100選」にも入り、ヤチダモは町の木に指定されている。なお、ヤチダモは弾力性に富んでいるので、野球のバットやかつてはスキ-板などに利用されていた。

 剣淵町は、2006年9月に、絵本の里として国道40号沿いに道の駅に併設するように絵本の図書室と美術館を併設、「親子が触れ合える」施設や剣淵町資料館を売り物にしているが、人口が少ない地域であるだけに利用状況はどうであろうか。

新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫
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by meiboku | 2010-05-20 10:06 | 開拓記念木