カテゴリ:久保桜( 1 )

 

久保桜など -山形県長井市-

 山形県長井市は静かな地方都市(人口約3万、2010年)であるが、桜、白ツツジ、あやめなどで知られた花の町である。南陽市、長井市、白鷹町に散在する桜の名所 5 か所、名木11本は、「置賜(おきたま)さくら回廊」(1994年、山形県が「愛称百選」を募集して決定、置賜は地方名)と呼ばれている。市街地西部の葉山(1,237 m)山麓に、北から薬師桜(樹髙 10 m、幹周り8.2 m、推定樹齢1,200 年、県指定天然記念物)、釜の越桜(樹髙20 m、幹周り6 m、推定樹齢 800 年、県指定天然記念物)、白兎のシダレ桜、草岡の大明神桜(樹髙17.2 m、幹周り10.9 m、推定樹齢 1,200 年、市指定天然記念物)などが散在し、それに久保桜を加えると、まさに「さくら回廊」にふさわしい。

 久保桜は、長井市街地から少し東に離れた伊佐沢集落の小学校の校庭横に立っている。校庭横に植えられたそのほかの桜も立派な大木であるが、やはり久保桜の存在は圧倒的である。桜周囲には木組みの歩道が整備されているので、それによって一周できる。樹種はエドヒガン、樹髙16 m、幹周り 9 m、推定樹齢1,200年、国指定天然記念物である。主幹の内部はほとんど空洞に近い状態になっているが、大きく広がった枝は支柱に支えられてはいるものの、地元住民の賢明な努力によって、それなりに多くの花を咲かせている。なお、桜の全盛期の天保年間(1830~1844)には「四反桜」と呼ばれるほどで、その枝張りは4反歩(およそ 40 a)に及んだと伝えられている。この桜も桜の開花時には、出店もつくられ、全国からの観光客が集まり、周辺に用意された何か所かの臨時駐車場も一杯となる。なお、長井市に散在する桜の名木は、白兎のシダレ桜を除いて、いずれもエドヒガンである。

 長井市は、4月下旬の桜にはじまり、5月中・下旬の白つつじ(市街地中心の白つつじ公園に約3,000 株)、6月下旬のあやめ(あやめ公園は、2020年で開園100周年の歴史をもつ、約500種、100万本)などで人気が高い。

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新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫
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by meiboku | 2010-04-21 11:42 | 久保桜