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冠稲荷のボケ -群馬県太田市-

 群馬県太田市(旧新田町)は戦国時代の武将新田義貞が生まれ育った町として知られており、太田駅前には義貞の銅像が立つなど市内には新田氏ゆかりの史跡が数多く残されている。冠稲荷神社も、新田氏の祖と言われる源 義国の創建と伝えられる。1174(承安4)年には、源 義経が京都の伏見稲荷の分霊を勧請奉祀したという。この神社は、伏見・豊川・信田・王子・嬬恋・田沼とともに日本七社に数えられる。駐車場に自動車をおいて、大きな赤い鳥居をくぐり本殿の前に達すると、半球状の樹形をした巨大なボケが目に飛び込んでくる。樹高は3.5 m、根周り 3 mであるが、500本ともいわれる支幹や枝が集まり、枝張りは9 m四方に及び堂々たるものである。3月はじめから咲き始め、4月上旬にはその見ごろを迎えるとのこと、ボケが巨木となることは少ないので、県指定の天然記念物としては珍しい存在といえる。

 このボケが有名になったのは、子宝祈願をしていた夫婦が、老人の勧めでボケの実を食べたところ、子どもを授かったという言い伝えが残されていることによる。それによって、現在でもこの神社は縁結び、子宝、安産、子育て、不老長寿などの信仰対象になっている。広い境内には、これらの信仰に関わる絵馬、幟が掲げられている。なお、本殿の前には、義経が心身を清めた御神小井戸や新田義貞が植えたとされる大きなキンモクセイもある。由緒ある神社の周辺は、花と緑の安らぎの宮の森として総合結婚式場(ティアラグリ-ンパレス)や土産品店も集まる観光スポットとなっている。
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新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫
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by meiboku | 2010-03-29 15:10 | 冠稲荷のボケ