中木のサザンカ -群馬県安中市ー

 新潟県に住んでいる人たちからすると、 群馬県西部は行く機会が少ない地域かもしれない。
隣接する長野県東部(東信)に行く場合、長野市、飯山市などを経由することが多く、関越道から藤岡ジャンクションを経て上信越道の利用は、少なくとも筆者にとっては荒船山登山の際に使った程度に過ぎない。
 高崎市から中山道を走り安中市街地を過ぎると、眼前に奇怪な山なみがそびえるようになる。妙義山は中木川をはさんで松井田側を表妙義、横川側を裏妙義と呼んでおり、日本の山としては特異な山容であり、多くの人々に強い印象を与える。山水画のような岩峰が連なる奇岩・怪岩の妙義山は、赤城山、榛名山と並ぶ上毛三山の一つとして知られる。
 サザンカは五料甲の中木集落に位置しているので、峠の釜飯で知られたJR 横川駅から碓氷川を渡り、曲がりくねった道路を走ると、民家の入り口近くに石積み・垣根を乗り越え道路側にかなり傾いて生育する巨木をようやく見つけることができた。サザンカの存在は県の天然記念物に指定されていることもあり、地元の人々は知っているが、目印が少ないこともあって、屈曲した道路を教えてもらうのがむずかしかった。
 生長の遅いサザンカは樹高 5.5 m、幹周り 1.6 m、推定樹齢 1,000 年であり、驚くような巨樹ではないが、群馬県最大のサザンカということから群馬県天然記念物の指定を受けている。例年、11月末から3 月にかけて少しずつ咲くとのことであるが、筆者が訪れたのは11 月上旬であったためかピンクの花が数輪咲いていたにすぎなかった。妙義山の岩峰直下の小さな集落に、寒い時期に4 か月間に渡って少しずつ花を咲かせるサザンカに敬意を表したくなる思いがする。中木集落は妙義山北麓、幹線・中山道から離れた碓氷川南岸の静かな環境に位置する      新潟大学名誉教授 鈴 木 郁 夫

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by meiboku | 2013-11-19 10:10 | 中木のサザンカ  

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